フェノールの酸性の強さは,カルボン酸に比べると弱く次のような順になる。
〔 スルホン酸 > カルボン酸 > 炭酸 > フェノール 〕
このことから,弱酸の遊離(弱酸の塩に強酸を作用させると,弱酸が遊離する。このとき強酸は塩になる)による反応を考えると,炭酸水素ナトリウム(炭酸の塩)に対して,酢酸(カルボン酸)は作用して酢酸ナトリウムになり,二酸化炭素が発生するが,フェノールは作用しない。
〔 NaHCO3 + CH3COOH → CH3COONa + CO2 + H2O 〕
【フェノール類の反応】
置換反応
フェノールのベンゼン環は置換反応を起こす。フェノールの水溶液に臭素水を加えると,2,4,6,-トリブロモフェノールの白色沈殿が生成する。この反応は,フェノールの検出になる。またニトロ化すると,2,4,6,-トリニトロフェノールができる。これはピクリン酸と呼ばれ,TNT同様爆薬となる。
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